近年スマートフォンが普及し、日ごろから動画視聴やSNSなどで長時間使用する人も多いかと思います。そのスマートフォンの常用で姿勢が悪くなり、首や肩に負担がかかってしまうストレートネック(スマホ首)に悩む人も増えているようです。今回はストレートネック(スマホ首)の症状や予防法などについてお話させていただきます。
ストレートネックの詳細について◇ストレートネック(スマホ首)とは
ストレートネックの詳細について・どういった状態のこと?
通常、人の首の骨(頸椎)は前方に向かって緩やかなカーブを描いており、このカーブによって重い頭を支えています。しかし、スマートフォンを見ているときはうつむいて下を向き続けるため、頸椎のカーブがなくなり真っ直ぐな状態になっています。この状態がスマホ首です。さらに、この頸椎がまっすぐな状態が長時間続くことで、そのまま固定化されてしまい、この状態をストレートネックと言います。
人の頭の重さは5~6㎏ほどあり、これはボウリングの球と同じくらいの重さです。そして、下にうつむくことで首の筋肉にかかる負担は大きくなってしまいます。30度傾いた状態で3倍、45度傾いた状態で4倍ほど負担が大きくなるという研究結果もあるようです。ストレートネックでは頭が前に出て首が傾いている状態です。それにより首の筋肉へ負担がかかり、首の痛みや凝りを感じてしまいます。
ストレートネックがどのような症状を出すのか・ストレートネックの症状は?
ストレートネックの症状には、首の凝りや痛みの他、頭痛やめまい、吐き気などの不調も起こります。ストレートネックでは首の筋肉の緊張により血行が悪くなり、神経も圧迫されます。それにより頭痛やめまいが生じると考えられています。また、顔のたるみや首のシワなど、美容面でも影響が現れる可能性があります。
その他には、首の骨には交感神経、副交感神経から成り立つ自律神経が走っているので、首の筋肉の緊張により自律神経が圧迫され、自律神経のバランスが崩れることで不調を引き起こす可能性があります。自律神経のバランスが崩れることで現れる不調は、日常生活に支障をきたすほどの疲労が継続する慢性疲労症候群や不眠、うつ症状、耳鳴り、発汗など様々です。
ストレートネックになりやすい人の解説・ストレートネックになりやすい人
スマホ首と呼ばれるように、スマートフォンを長時間使用する人のほか、パソコンの使用や読書など、顔が下を向く姿勢を長時間続ける人はストレートネックになりやすいとされています。また、首の筋力が弱い人や首が細い人もリスクが高いとされています。そのため、男性よりも筋肉量が少ない女性や、若年層よりも加齢によって筋肉量が低下した高齢者の方がリスクは高いようです。
ストレートネックを予防する姿勢について解説◇ストレートネックを予防する姿勢
スマホを使用する際の姿勢の注意点・スマートフォン使用時に気を付ける姿勢について
顔が下を向かないように、なるべくスマートフォンを目の高さで持って使用すると良いでしょう。しかし、それだと腕が疲れてしまうので、スマートフォンを持っている腕の肘を逆の手で支えるなど工夫したり、卓上スタンドなどを利用しても良いかもしれません。いずれにしてもなるべく長時間の使用は避け、休息をとりながら使用するのが良いでしょう。
座り姿勢の注意点・座っているときの姿勢で気を付けること
猫背にならないよう注意しましょう。正しい姿勢をキープするには椅子選びも大切です。背中と背もたれに隙間がなく、上半身の力を抜いても背筋が伸びている状態を保てる椅子が良いですね。ソファの場合は背もたれが高めで、背もたれが沈み込みすぎないものが良いでしょう。
デスクワーク時の姿勢については、猫背防止のためパソコンの画面を目の高さに調節するのがおすすめです。自分の身長に合ったデスクや椅子を選びましょう
運転時の姿勢の注意点・車の運転時の姿勢で気を付けること
運転中はシートに深く座り、骨盤が後ろへ倒れるのを防ぐために、腰とシートの間にクッションを挟むのも良いとされています。背もたれは倒し過ぎず、なるべく小さい角度に留めておきましょう。背もたれにしっかり背中を密着させることが大切です。シートの前後の位置は、ハンドルを回しても背もたれから肩が離れない位置が理想です。
予防法について◇その他の予防法
ストレートネック予防法・予防法①血行促進を意識する
筋肉がこわばって血行が悪くなると首凝りや痛みを感じることもあります。そのような場合は体を温めて血行を良くしてあげましょう。蒸しタオルやホットパックを当てて首や肩を温めたり、入浴により全身を温めてあげると良いでしょう。おすすめは全身の血行を促進でき、リラックス効果もある入浴です。熱すぎない40度程度のお湯に10分程度浸かると良いでしょう。その他には、首を冷やさないようにストールなどを用いるのもおすすめです。夏でも冷房で体が冷えやすいので注意が必要です。
ストレートネック予防法・予防法②ストレッチや運動をしよう
ストレッチにより首や肩周りの筋肉をほぐすことは、ストレートネックの予防に効果的です。作業の合間など、適度に体をほぐしてあげると良いでしょう。首を左右にゆっくり倒したり、頭を前に倒したりすると効果的です。
その他、ウォーキングやヨガなどの運動を日常的に取り入れることで、首周りの筋肉を鍛えることができるので、姿勢の改善につながります。運動とは少し違いますが、ショルダーバッグなど片方の肩にかけるバッグは、左右のバランスが崩れて首へ負担がかかってしまいます。時々左右持ち替えて負荷を分散させたり、リュックのように左右均等に負荷がかかるバッグがおすすめです。
1つ注意しなければいけないことがあります。それは首へのマッサージです。首は神経がたくさん通っている非常にデリケートな部位なので、強い力で揉んではいけません。自己判断でマッサージすることで痛みやしびれ、頭痛などの不調を引き起こす可能性もあります。
ストレートネック予防法・予防法③自分に合った枕を使用する
人は、睡眠により日中の疲労回復や傷んだ細胞の修復を行います。ということは、睡眠中にストレートネックで首が受けたダメージの修復も行うわけですが、高さが合わない枕を使うとかえって悪化させてしまう可能性があります。自分に合った枕選びで重要なのは、仰向けで寝たときに正しい首のカーブを維持できるかどうかです。高すぎる枕はストレートネックを悪化させたり、気道を圧迫していびきの原因になってしまいます。逆に低すぎる枕は首がうまく支えられず、肩こりの原因になってしまいます。
また、高さだけでなく硬さも重要です。柔らかすぎる枕は頭が沈み込んで安定せず、首に力が入ってしまい、負担になってしまいます。そのため、少し硬めの枕を選びましょう。適度な硬さの枕は頭をしっかり支えてくれるので、寝返りもスムーズにできます。
最後に、枕の素材についてです。一般的には、高反発ウレタンやファイバー素材が、首の負担を軽減してくれるのでストレートネックに有効と言われています。また、ファイバー素材やパイプは耐久性が高いので、長期間使用しても型崩れしにくいという利点があります。さらに、ファイバーはシャワーで洗うことができるので、衛生的にも優れています。
まとめ
◇おわりに
今回はストレートネック(スマホ首)についてお話させていただきました。ストレートネックは日頃からスマホを使用する現代人にとって非常に身近な疾患です。しかし、日頃から正しい姿勢やストレッチなどを意識することで予防することができます。また、スマホの使い過ぎには注意しましょう。それでも首の痛みなどの不調が続いたり、悪化するような場合はぜひ当院へご相談ください。
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